物理AIを社会実装するための基礎技術開発
物理AIは、第4次産業革命(The Fourth Industrial Revolution)の主要な駆動力となることが想定されています。本研究会は、@factoryや双腕ロボットを研究基盤として用いることにより、物理AIを特定の産業領域で社会実装を行う際の、技術課題を具体的に検討することを目的としています。
産業領域の一つとして、製造業を想定します。製造業における自動化の促進は、人手不足や国際的な競争激化のために、待った無しの重要課題として認識されています。主な自動化対象として、
– 製造に関する職人芸をデータ化することを通じた自動化
– 搬送、入出庫等、中核業務以外の部分の自動化
等があげられます。
これらの目標に対する技術開発を推進する際の技術課題として、生成AI自体の高度化だけでなく、生成AIの妥当な活用方法を検討する必要があります。モノリシックな大規模生成AIですべての課題を解決しようとするのか、目的ごとに最適化された小規模な生成AIを組み合わせるアーキテクチャを新たに検討するのか、方針を検討しなければなりません。
また、たとえばロボットの制御においても、従来技術では可能であった、高速処理や高精度動作を、物理AIで完全に置き換えることが可能であるのか、従来技術との組み合わせを検討すべきであるのか、考えなければなりません。
模倣学習に関しても、非常に有望な技術ではありますが、過去の学習内容の部分的再利用等、新たな機能を付加することも必要になってくることが予想されます。
以上のような、広範な技術課題を、具体的な社会課題に対応付けて具体的な検討を行ってゆくことを、本研究会の目標とします。