Dual Scorpionの開発

LeRobot so-101 5DoF + Gripperを基に、「Dual Scorpion」双腕ロボットを新たに設計したので、これを紹介します。このロボットは、模倣学習や教育用のロボット開発を目的に、機能性とコストパフォーマンスを両立させた設計です。

Dual Scorpion GitHub リポジトリ

Dual Scorpionとは

Dual Scorpion」という名前は、そのロボットの形状が蠍(サソリ)に似ていることに由来しています。さらに、ロボットと人間が協力し、テレオペレーション(遠隔操作)を行うことを想定し、Dualという名前を付けました。

元々のLeRobot so-101 5DoF + Gripperの設計を基に、新たなnew_dof.stlを作って6DoF + Gripperに改良し、その後、さらにこの設計をベースに7DoF(7軸)+ Gripperへと拡張しました。この拡張により、より広範囲な可動域を実現し、人型の双腕ロボットに近づけています。

目標と主旨

初心者でも気軽に取り組める双腕ロボット開発

Dual Scorpionは、主に教育現場での利用を想定しています。学生や研究初心者でも、気軽に双腕ロボットを使った研究や開発、学習に取り組むことができる環境を提供します。通常、模倣学習を行うためには高価なロボット(300万円以上)が必要ですが、このロボットは約10万円で実機を用いた試行、検討が可能になります。 さらに、SO-101を既にお持ちの方は、追加のモーターと部品を用意するだけで、簡単に拡張可能です。

設計と特徴

独自設計のパーツ

  • 金属フレーム
    ホームセンターで購入可能な金属の棒を使用しています。
  • 使用部品
    【Nシリーズ】GFunフレームN 450 SGF-0004とコネクター
  • 肩部分
    3Dプリンターで作成しており、Joint0のモーターマウントカバーが収まるように設計されています。肩の可動域を確保しつつ、モーターをしっかりと固定できる構造です。
  • モータのマウントカバー
    モータが簡単に取り付けられ、動作中の安全性を高める設計です。
  • 新たな回転軸
    LeRobotを5軸から6軸、さらに7軸へ拡張する際に使用できる汎用パーツです。
  • ベース
    二つの貫通穴があり、机や車両に固定できる設計です。安定性と拡張性を両立しています。

主な仕様

  • 自由度: 7DoF(7軸)+ Gripper × 2(双腕)
  • ベース: LeRobot 5DoF + Gripper設計を6DoFに拡張、その後7DoFに進化
  • コスト: 約10万円
  • 特徴: ホームセンターの部品で構築可能、車両・机への固定が容易

展示

CEATEC 2025年10月14日〜17日にて、Dual Scorpionを展示しました。展示を見ていただいた方々、ありがとうございました。

今後の展開

Dual Scorpionは、模倣学習を活用した教育や研究のために開発されており、今後も改良が加えられる予定です。