背景
AIロボットの重要性が年々高まる一方で、実際に開発を進める上では高いハードルが存在します。特に、NVIDIAが提供するシミュレーションプラットフォームであるIsaac Simは素晴らしい機能を持つものの、日本国内においてはまだ事例が少なく、検証環境の構築や情報収集の難易度が高いという現状がありました。このような背景のもと、Momoi Open Source Organizationの一員として、自分たちも開発に参加したロボットを用いて、Isaac Simによるロボット開発の敷居を下げることに挑戦しました
Isaac Sim上でTurtleBot3 Limeを動かす
- TurtleBot3 LimeのUSDモデル作成
USDモデルを作成することにより、LimeをIsaac Simのシミュレーション対象とすることができるようになります。NVIDIAのウェビナでも用いられました。 - Isaac Sim中のLimeをROSロボットとして外部から操作できるようにする
Gazeboによるロボットシミュレーションと同様に、Isaac Simのシミュレーション環境でも、外部からROS通信によって操作できるようにしました。これによって、アプリケーションの開発が容易になるだけでなく、Isaac ROSのアルゴリズムを活用したり、機械学習のための学習用画像データを生成したりできるようになります。
チュートリアルドキュメントの作成
セットアップ手順や必要なソフトウェアのインストール方法などを詳細にまとめました。 実装例のコードの説明、シミュレーションの実行方法、トラブルシューティングに関するドキュメントを作成しました。
公開
作成した、Isaac SimでのTurtlebot3 Limeの実装手順書とドキュメントをMomoi Open Source Organizationのプラットフォームを通じて公開しました
自己紹介
グェン・タン・アンと申します。現在、東京工科大学大学院コンピュータサイエンス専攻に在籍しており、松岡研究室に所属しています。また、NVIDIA学生アンバサダーのロボットチームの一員として、最先端のロボティクス技術の学習と普及に貢献しています。このプロジェクトを通して得た知識と経験を活かし、今後もロボット開発分野に貢献していきたいと考えています。